「おなか」のお話―漆原史彦医師より―
●腸内細菌と免役
腸内細菌は様々な全身免役と関与しています。
有名なのが腸内細菌叢とインフルエンザで、ヨーグルトのCMでインフルエンザ予防を謳っていますよね。
インフルエンザは飛沫感染か接触感染により鼻や喉の粘膜に感染すると、発熱や関節痛などの全身に免役応答を起こす感染症です。
マウスを使った実験で、抗生物質を含む飲み水4週間飲ませ、腸内細菌数を減らしてインフルエンザウィルスを感染させると、免疫が低下し、肺の中のウィルス量が増えることが分かりました。
またこのマウスにインフルエンザ感染させるのと同時に整腸剤に似たものを与えると免疫が改善し、ウィルス量や死亡率が低下しました。
またこの反応はインフルエンザワクチンについても同様の結果が得られ、このことが腸内細菌は腸内環境だけでなく、距離的に離れた肺や全身の免疫にも関与することが分かっています。また、これには腸内細菌が食物繊維を分解して産生する短鎖脂肪酸が重要な役割を果たしていることも分かりました。
プロバイオティクス(適正量を摂取することにより宿主の健康に有益な作用をもたらす生きた微生物)、プレバイオティクス(大腸内の有用菌を選択的に増殖あるいは有害菌を抑制し、宿主の健康に有益な作用をもたらす難消化性食品成分(オリゴ糖など))を摂取すること、またシンバイオティクス(プロバイオティクス、プレバイオティクスを同時に接種すること)は非常に重要です。
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