「おなか」のお話―漆原史彦医師より―
●便秘って何?!
普段、消化器内科医として大学やクリニックで外来をしていると、さまざまな腹部症状で多くの患者様が受診されます。
その中でも最も多い症状が便通異常です。
患者様の訴えには便が3日に1回しか出なくて便秘という人もいれば、毎日便が出るから便秘じゃないけどすっきりしない、など様々な訴えがあります。
一般的に医療者の中で便秘の定義として用いられている国際基準にRomeⅢ基準というものがあります。
その中では
- 排便回数が週3回未満
- 硬便が排便の25%以上
- 用指的排便が25%以上
- 努責(いきみ)、残便感、閉塞感が見られる頻度が25%以上
このいずれかを少なくとも6か月前から3か月間からみたすものを便秘と定義しています。
つまり排便回数に関わらず、排便にいきみなどの困難を感じていれば便秘と言えるのです。
多くの便秘は食事や運動などの生活習慣や、簡単な内服加療で改善するものがほとんどです。
しかし中には気を付けなければならない症状があります。
それは大腸癌などによって器質的な狭窄(腸管が何かしらの原因によって狭まってしまうこと)が起きている場合です。
もしも、あなたの便秘が
- 血便
- 50歳以上
- 最近(1か月以内)に急に始まった症状
- 大腸癌や胃癌などの家族歴
- 体重減少
といった警告症状を伴う場合は大腸癌の可能性があります。その場合はCTや大腸カメラといった精査を受ける必要があります。
若いから大腸癌はない、高齢だから改善法はないといったことはありません。
少なくとも前述した症状がある場合は医療機関に受診してください。
そうでなかったとしても、気になる症状があればいつでも当院を受診されてください。
食事療法や内服加療など、いつでも相談に乗らせていただきます。
水溶性食物繊維を多く含む食品
アルギン酸・ペクチン・グルコマンナンなど
納豆・やまいも・春菊・アボカド・かき・もも・昆布・エシャロット・にんにく菊芋・ひじき・もずく・わかめ・あしたば・寒天・おくら・イチゴ・いちじく・・・
不溶性食物繊維を多く含む食品
繊維質な野菜や穀類・豆類
さつまいも・バナナ・ごぼう・大豆・玄米・アボカド・こんにゃく・そば・大麦・ライ麦パン・えんどう豆・ブロッコリー・たけのこ・とうもろこし・えのき茸・きくらげ・しいたけ・切干しだいこん
便の体積(量)を増やしたい、または腸を動かしたいなら「非水溶性繊維」を、便を軟らかく(ゼリー状に)したいと思ったら「水溶性食物繊維」を摂る
◆弛緩性便秘の場合
便の回数が少ない・お腹があまり動かない・年をとってからの便秘
「非水溶性食物繊維」をたくさん摂ると、便の体積が増え、腸が刺激されて動きやすくなります。
◆痙攣性便秘の場合
おなかはごろごろいっているのに便がおりてこない。いつもコロコロ便・便秘と下痢を交互にする。環境の変化(思春期、進学・就職、結婚など)が便秘のきっかけになったというタイプの人は「水溶性食物繊維」を多く摂りましょう。
お問合せ・お申し込みは TEL:0284-70-7177までお電話ください。